将ブ!のメインテーマは「横歩取り研究」である。
数多くある横歩取りの戦法だが、将ブ!が研究していきたい戦法をお伝えしていこう。
メインの戦法やマイナーどころの戦法なども知り、横歩取りの奥深さをぜひ知っていただき、
横歩取りの研究を進めて欲しいと思う。
プロ間でよく指される横歩取りの戦法
プロでも横歩取りの採用数はものすごく多いが、
戦法の分類という意味では、ほとんど2種類と言って良い。
2015年現在で、私の見ている範囲の限りでは、感覚的にはこんな感じだ。
△8四飛戦法 80%
△8五飛戦法 15%
おそらくこの2つで9割5分ぐらい指されているハズだ。
飛車をどこに引くかの違いだが、展開は大きく異なってくる。
あとはたまーーーに指されるものとして、
青野流 3%
相横歩取り 2%
といったところ。
簡単に、特徴をお伝えしていこう。
△8四飛戦法
紛れも無く、現在の横歩取りの主流戦法だ。
飛車先の歩を交換した後、後手の飛車を8四に引く攻守のバランスのとれた戦法。
第3回電王戦の、豊島七段vsYSSではこの戦法が見られた。
最近では、後手からいきなり飛車をぶつける展開も発見され、
また横歩取りの作戦が広がったと言っていいだろう。
△8五飛戦法
数年前に猛威を振るったが、徐々に対策されていき今では時々見かけるぐらいにまで落ち着いた。
8五に飛車を引くという攻めっ気の強い斬新な戦法で、中原玉との相性は抜群だ。
青野流
横歩を取ったまま飛車を引かずに戦うという戦法。
他の戦法よりは先手からも主導権を握りやすいという特徴がある。
第2回電王戦の、屋敷九段vsPonanza戦で、先手の屋敷九段が採用していた。
相横歩取り
早々に角交換して後手も横歩を取るという戦法。
飛車角交換になることも非常に多く、まさに「乱戦」そのもの。
電王戦FinalのPonanza vs 村山七段戦で、後手の村山七段が採用していた。
その他の有名戦法
メインの戦法は本も数多く出ているので、ぜひどれか一冊を読んで欲しいと思う。
これらの戦法の他にもプロの実践例があるものをあげておこう。
電王戦で出てきた横歩取り△3三桂戦法や、超有名な奇襲△4五角戦法などがある。
△3三桂戦法
前述の4つは、全て▲3四飛に対して△3三角と上がる展開だったが、
名前の通り、△3三桂と上がる戦法。
一瞬、角道が止まってしまうが、△4五桂の跳ね出しが脅威。
電王戦Finalの稲葉七段 vs やねうら王戦ではこの戦型が見られた。
△4五角戦法
谷川会長の若かりし頃の得意戦法で、一世を風靡した超急戦。
中盤をすっ飛ばして一気に終盤になる展開が多い。
そして、この戦法を愛用している人は非常に多い。
横歩取りの戦法の特徴
ここまで読まれて気づいた方もいるかもしれないが、
後手側で○○戦法と呼ばれるものが数多くある。
つまり、後手番に様々な選択肢があるということだ。
逆に言えば、先手としてはこれらの戦法に対応していかなければならないので、かなり大変だ。
このブログでの研究方針
このブログでは、それらのメイン戦法も追って研究を進めていくが、
あまりにも研究の奥が深く、まだまだ目立った変化しか書けないだろう。
良書も多く出ているので、このブログではひとまず後回しにする。
私の興味が向いているところから徐々にコンテンツを作っていくつもりだ。
具体的には、先手で横歩取り△8四飛の形を目指したが、
変化されて負けたり上手く対応できなかった戦法ということになる。
私は基本的には先手でも後手でも△8四飛戦法を指そうと目指す。
だが、実戦ではその前に変化されてしまうことがかなり多く、
それらもなかなか対応に困ってしまうということが良く分かった。
(もちろん、横歩取りではなく対振り飛車戦になることも多い)
そういった、「困ってしまった戦法」への対策や、
「あれ?これ実はいけるんじゃない?」と思った戦法の検証、
有名な超急戦への対応、から進めていく。
今考えているのは、以下のような戦法から進めていく。
上述した有名どころでは、
△4五角戦法
△3三桂戦法
は、気になるところなので優先的に研究を進めていく。
その他、既に結論が出てプロ間では指されなくなったような、以下の戦法も取り上げる。
△2三歩戦法
先手にだけ飛車先を交換させて、後手はじっと△2三歩。
ただこれには狙いがあるのだ。
後手ノーガード戦法
▲7八金△3二金 は当然・・・の展開だが、それを省略する手も無いわけではない。
一気に終盤に突入する、少しだけ怖い戦法だ。
△4四角戦法
△2八歩~△4五角ではなく、△3八歩~△4四角という奇襲がある。
これもウォーズをやっているとたまに指してくる人がいる。
対応を知らないとかなり厄介な展開になることは間違いない。
△3三角戦法
上述の△4四角戦法よりももっと直接的な戦法だ。
・・・とはいっても、狙い筋はほぼ同じだが。
それでは、研究に移ろう
序盤の20手そこそこで、10種類もの変化が出てきた。
しかもそのほとんどが後手に選択肢がある。
先手としては辛いが、これをマスター出来れば、
少しの違いの意味が分かる「将棋感」を身につけることが出来るだろう。
後手としては、先方を広げる意味で。
先手としては、棋力をさらに上げる意味で。
あなたの研究に役立てて欲しいと思う。
さぁ。
それぞれどんな戦法なのか、研究の道に入っていこう。